テレビの中の一目惚れ
アップになる、黒髪短髪の青年。 からの、ギターのジャーン、という音。 なんだ、このかっこいい人は。 夕飯時のテレビのコマーシャルで流れた、IN FORESTのPV。 心臓が跳ね上がって、一瞬止まるような興奮。 誰? 曲名も、バンド名も、アルファベットで良くわからない。 当時14歳の、思春期の色々に悩み、今でならわかる、ウツ状態にいた私にとって、一筋の光のような存在。 あなたは、誰? 翌日、ラルクやグレイ、ルナシー、音楽に詳しいクラスメイト達に、昨夜自分が見た映像を事細かに伝えると、 「らくりまじゃない?」と一言。 そこから、私の「らくりま」探しが始まった。 少ない小遣いで、CDや雑誌を買い、 あの黒髪短髪の青年がKOJIであることを突き止めた。 インターネットが今ほど普及していない時代、あのPVを見ることは、2度となかった。 でも、確かに記憶に残っている。 あの映像と、感動が。 大人になって、何度もライブやイベントに足を運んだ。 いつもにこやかで、ギターを真面目に弾きこなし、ファンサービスを欠かさない人。 ファンと行く、旅行では、カラオケルームで隣に座られ、何が起こったのか、よく分からなかった。 撮ってもらったツーショットの写真は、 恥ずかしくて見ることができない。 何度会っても、いつも新鮮。 いつもあのテレビで見た、感覚が蘇る。 たくさん夢を見せてもらった。 生きがいを授けてもらった。 もうCDや映像でしか、あなたに会うことはできないけれど、何度もあなたに恋をするのだろう。 これを一目惚れというのだろう。